第7回 科学技術コミュニケーションデザイン・セミナー「市民の力で科学を変える〜科学NPOのつくり方」ご案内
■日時
2006年7月13日(木) 18:00-20:00
■場所
大阪大学豊中キャンパス 大学教育実践センター 管理講義棟(共通教育棟) A103
※地図( http://www.osaka-u.ac.jp/jp/about/map/toyonaka.html)の10番
■主催
大阪大学 コミュニケーションデザイン・センター 科学技術コミュニケーションデザイン・プロジェクト
科学技術キャリア創生支援室
■内容
NPO法人「市民科学研究室」は、科学技術を扱うNPOの草分けであり、現在でも科学技術と社会の問題を市民の視点から総合的に扱っている、日本では数少ないNPOのひとつです。代表の上田昌文氏は1992年に前身である「科学と社会を考える土曜講座」を設立、参加者である一般市民のイニシアティヴで研究テーマを決め、推進するという地道な活動を続けてこられました。テーマはバイオテクノロジー、核・原子力、薬害、廃棄物、軍事技術、環境と経済、戦争責任、科学教育、映像メディアなど多岐にわたっています。
現在、市民科学研究室が取り組んでいるプロジェクトには、全国の科学館を「行く科学館」から「使える科学館」「市民のための科学館」へ転換する方法を研究している「科学館プロジェクト」、料理を科学する「食の総合科学プロジェクト」などがあります。こういった活動は近年、高い関心と評価を受けるようになっており、NPOのプロジェクトである「生活者の視点に立った科学知の編集と実践的活用」がJST(科学技術振興機構)「社会技術研究システム・公募型プログラム」の研究課題のひとつとして採択されるまでになってきました。
こうした「市民科学」という研究スタイルの源流は70年代の公害問題などにさかのぼりますが、今回のセミナーでは大学ではなくNPOで研究することの意義とおもしろさ、困難などを豊富な経験を元に語って頂くとともに、市民科学の歴史を振り返ることで提起される今日的な課題についても論じて頂きます。
■講師紹介
上田 昌文(うえだ・あきふみ)
1961年生まれ。NPO法人「市民科学研究室」(http://www.csij.org)代表。
大阪出身。大学では分子遺伝学、発生生物学を専攻。学生時代から、アジア太平洋地域の核被害や原発問題に取り組む。2003年から科学技術社会論学会の理事。現在、JST(科学技術振興機構)社会技術研究開発センターの助成を受けた研究(2005年〜2007年)の研究代表。
2005年10月から東京大学「科学技術インタープリター養成プログラム」特任教員。出産・子育て支援のコミュニティウェブ「ベビーコム」のエコロジーページ(6月にムック第1号として『子育ての環境』として出版)、雑穀を使った料理を広める食のNPO「いるふぁ」の雑誌『つぶつぶ』にも連載を書いている。翻訳書『薬に病む第三世界』(剄草書房)、『携帯タワーの健康影響に関するザルツブルク国際会議議事録』(ガウスネット)他。
子どもたちと遊ぶこと、クラシック音楽、古本屋めぐりが大好き。
■申し込み方法
どなたでも参加いただけ、参加費は無料です。当日参加も可能ですが、会場の都合上、定員は30名とさせて頂きますので、sts[at]cscd.osaka-u.ac.jpまで参加申し込みをいただいた方の入場を優先します([at]を@に変えてください)。
申し込みにお返事はいたしませんので、当日会場までお越しください。
■問い合わせ窓口
大阪大学コミュニケーションデザイン・センター 春日,八木
tel/ 06-6816-9494
e-mail/ stc[at]cscd.osaka-u.ac.jp([at]を@に変えてください)
※本企画は、文部科学省「科学技術関係人材のキャリアパス多様化促進事業」に採択された「プロジェクト活用型科学技術キャリア創生モデル事業」の一環として行っています。
※大阪大学CSCDの「科学技術コミュニケーションデザイン・カフェ」は「科学技術コミュニケーションデザイン・セミナー」に改名しました。今後も様々な「科学技術コミュニケーター」をお招きして、様々な問題について語って頂く予定でおりますので、ご興味のある方はどなたでもふるってご参加ください。
===================
※主にポスドク、大学院生のみなさまへ。
本企画は「プロジェクト活用型科学技術キャリア創生モデル事業」の一環として行われます。
知識基盤社会では、研究活動が大学の外で行われることも一般的になってきました。特に政府でも営利企業でもない非営利組織(NPO)は、日本ではまだ限定的な役割しか果たしていませんが、諸外国では環境や町づくりなど、あらゆる問題を扱うセクターとして、その重要性が増しています。非営利セクターは増大した高学歴層の吸収先としても(給料は低く抑えられても自分の好きな、あるいは社会的なやりがいのある研究をできる組織として)注目されているという側面もあります。
我が国でも、今後NPOへの人材と資金の供給の重要性は増大することと期待されています。科学技術コミュニケーションデザイン・セミナーでは、ポスドク・博士のキャリアパスのひとつとして、NPOを研究の場に選ぶと言うことの可能性を探っていこうと思います。その手始めに、日本で数少ない科学NPOである市民科学研究室の上田昌文氏に、科学技術NPOが受託研究などを受けると言うことはどういうことかや、今後の科学技術NPOにどのような可能性があるかについて語って頂きます。
===================
<a href="http://cscd-stc.weblogs.jp/file/CscdSeminar060609.pdf">ちらしをダウンロード (310.1K)</a>
コメント